【怖い話】山奥の村:雪

 朝子さんからの投稿。

知らずに住んでいた山奥の村は、心霊スポットでした。
なぜか私は山から悪意のある視線をいつからか感じていました。

寮の裏山に山へ通じる道があり、散歩がてらに少し歩いた時。全身の毛が一斉に逆立って
嫌な悪寒がしたことがあり、それ以降、裏山へは入らないようにしていました。

その年の冬は寒波が激しく、地元民でさえも驚くほど大雪に見舞われました。

ある雪が降る正午ぐらいの頃。
私は山道を車の運転をしていた時に、いきなり体が動かなくなりました。
そして腕が勝手にハンドルを操作して、いつも避けている裏山に向かい出しました。

自分の意識はしっかりあるのに、体が言うことを聞かずに勝手に動く。
かなりの恐怖体験はある方でしたが、さすがに今回のは未経験でパニックになり、車内で、

「止まれ、止まってよっ!」
「誰かっ!」

大声で叫び続けましたが、走行時の車内では意味が無い行動。それに雪の為か車の往来は
一切無く、道は人気の無い裏山に入っていきました。

この頃の私は職場の難しい人間関係に悩まされ、気が滅入る日を過ごしていました。多分、
気落ちしていて心身がやや衰弱している隙を、何かしら良からぬ存在に目をつけられたの
だと察しました。

軽車が一台しか通れない狭い山道で大雪の為か、雪に突っ込んだ形で車が止まり、また同
時に体が自由に動けるようになりました。
辺りは昼間なのに薄暗く嫌な雰囲気で満ちていましたが、人里まで歩こうとドアを開けよ
うとした時。

どこからか一斉に大勢の視線を感じたと、脊髄にゾクゾクと寒気が突き抜けました。

『外は危ない、頭(心)が殺られる』

そう瞬時に思い、車内にあったお寺の交通安全守りを見ながら手を合わせて、必死にお題
目をあげて神仏に助けを求めました。

そして必死に車をUタ一ンして引き返そうと木々にぶつけながら無理矢理の方向転換を
しました。軽車が一台しか通れなく、また雪でほとんど動けない状態だったのに、なぜか
その時はUタ一ンが出来て無事に帰ることが出来ました。

その晩は高熱で寝込みましたが。
今でもなぜ脱出が出来て、また私に悪意を持つ存在や連れていかれた山は何だったのか分
かりません。

※良く生きていたものだと思います。五体の自由を奪った時点で何時でも殺せたのですか
 ら……
※この山は霊山の類いなのでしょう。そして、山に巣食う者どもには、朝子さんの存在が
 余程、邪魔だったのでしょう。
※ケースは違うが、私も物理的にUターン出来ない山道でUターンして帰還した経験が
 ある。やはり霊山だった。「早く帰れ」と言う山の意思だろう。




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