【不思議な話】鈴の音

 もこもこさんからの投稿。

私 は小学校の5年生まで九州に住んでいて、父の転勤で関東に引っ越してきました。
これからお話をする私の不思議体験は、その関東に越してきて2か月程経った頃のもので
す。

私は、幼いころから寝つきが悪く、夜中に目が覚めてしまうこともしょっちゅうで、
その日も、何の前触れもなく夜中にふっと目が覚めました。

両親も、2段ベッドの下にいる弟も寝ているようで、虫の声も風の音もせず、静かな夜だ
ったのを記憶しています。

私は、2段ベッドの上で左側にある壁の方を向いて、ぼーっと起きていました。

すると突然、廊下の奥の方から「りーん・・・・・・りーん・・・・・・りーん・・・・
・・」と、鈴の音とも虫の声とも判別のつかない音が聞こえてきました。

何の音なのか気になって聞き耳をたてていると、どうやら少しずつ、私の寝ている部屋に
向かって音が近づいてきているようでした。
近づいてきていると思ったとたん急に怖くなり、私は部屋の入口(部屋のドアは開いてい
ました)を振り返ることができず、
息を殺してじっと聞いていることしかできませんでした。

音は部屋の入口まで来ると、しばらくその場に留まっていたようですが、やがて少しずつ、
今度は来た道を戻っていったようでした。
そして、音が聞こえだした辺りまで戻ると、ぱったりと音は止んでしまいました。

翌日、母親にこのことを話し、「りーん・・・・・・り ーん」という音に何か心当たり
はないか聞いたのですが、
消防車の夜回りの音ではないのか、それでなければよくわからない、とのこと。

消防車の夜回りの音は、「りんりん、りんりん」という感じで、似てはいますが少し違っ
た音のようでしたし、
家には鈴もなければ仏壇もなく、そのような音が鳴るものに心当たりがありません。

結局、それ以上は気持ち悪いからやめてくれ、と母親に言われ、話は終わってしまいまし
た。
今でも何の音かわかっていない、数少ない私の不思議体験です。

※このコーナーには珍しいありがちなお話です。
※悪意の無い霊は、このような些細な事で意思や存在を伝えて来ます。風も無いのに一つ
 だけ花が揺れてるなどです。
※このお話の場合、霊道がたまたま重なり、地蔵菩薩系の存在が錫杖を鳴らしていたのだ
 と思います。その際、家の穢れも祓ってくれたと思います。
※もこもこさんは地蔵菩薩とご縁があるのかもしれません。




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