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ミッチーさんのお誘いで、6月21日の夏至に熱田神宮などを回ることになった。
鉄オタではないので、詳しくは知らないが、大阪の難波から名古屋に向かう特急は特別製らしい、片道4000円程だが、椅子などは快適に設定されていた。
前日にクスリなどは用意したのだが、皮膚炎の塗り薬を忘れた。
12時前に到着し、ミッチーさんと合流した。
まずは腹ごしらえで、味噌カツを食べようと言う話になった。有名なお店だからだろうか? 日曜日と言う事もあり、行列が出来ていた。椅子が用意されていたので、待つのは苦痛ではなかった。
店はコロナ対策が徹底しており、入店時のアルコール消毒、座る席も店員が素早く消毒を行い、着席を勧める。
暖かいご飯が丼に盛られており、カツと大きなエビフライが盛られており、店員が特性の味噌タレを壺から丼にかけてくれる。
大阪にもとんかつ専門店は多い。その感覚でカツにかぶり付いたら、カツは驚く程に柔らかかった。極上のロース肉を使用しているのが分かった。
大きなエビも新鮮で寿司のネタにも使えそうな代物だった。
これで不味い訳が無い。味噌ソースが相乗的に旨さを増す。
この一品を食べる為に名古屋へ行くのもありだなと思った。
食後はコメダ珈琲に入った。
近所に支店があるので、この店のボリュームの凄さは知っている。
私はコーヒーフロートのSを注文した。
出て来たコーヒーフロートは大阪ではLサイズに匹敵するものだった。
喫茶店を出て、ホテルにチェックインして荷物を置く。
部屋はシングルの別室だった。
(避けられたかな?)と思った。
なにしろ私は鼾が凄い。恋人や家族ですら、その五月蠅さに同衾を拒む。部屋の外からでも聞こえる凄まじさらしい。前回は同室したが、煙草を吸わないミッチーさんの前でヘビースモーカーぶりを発揮して、不興を買い、禁煙を誓わされている。
鬱の発作のけだるさが急に出て来て、不味いと思い、発作予防の薬を飲むが、すっきりとしない。
ロビーでミッチーさんと合流。
ミッチーさんはどこかの神社へ連れて行きたかった様だが、私は独特の霊波を感じていたのと、あまり歩きたくないのもあって、幹事のミッチーさんの意見を無視して、「これ、近所に神社があるんとちゃう?」とごり押ししてしまった。
霊波に向かって私はふらふらと彷徨う。ミッチーさんは地図を見ながら回りに注意を払っている。
目的地はすぐ見つかった。
四つ辻の角に小さな祠がある。
奥行きが長い祠で正面の屋根から後ろに向けてシートが被され、工事の音がうるさい。
私は正面から霊気をまともに受ける。怒気がある。ご神体を祀ったままなのだ。神様も五月蠅かろう。
神社の名前は「椿神社」とあった。
「椿大社」から分霊したのだろうが、「椿大社」は三重の一宮じゃなかったっけと首を傾げる。
ちなみに椿は鎮魂に用いられることが多い。椿の名が付く神社は祟神を祀ることが多い。
境内には入れない様なので、早々にお暇させて頂いた。
早めの夕食を摂りに、名古屋名物「ひつまぶし」の名店へ赴く。店の場所などはミッチーさんが事前に調べてくれている。(本当にありがたいと思う)
鰻は大好物で様々な店で食べて来たけれど、ここの鰻は一番旨かった。蒸してない関西風の焼き方で備長炭独特の香りが匂い立ち、身はふっくらと柔らかい。思わず鰻丼して八割を食べてしまいました。
出汁をかけて「ひつまぶし」として残りを食したが、昆布だしの旨さとの相乗効果で、ほぼ一口で食べてしまった。
ただ困ったのは、量が大阪の「ひつまぶし」専門店と比べて、七割程度しかない。胃がまだまだ足りないと訴えている。
会計のカウンターの横には持ち帰り様の鰻丼が並んでいる。
夜食が必要となるのは見えていたので、一つ持ち帰ろうと思ったが、買ってしまうと帰りの電車賃が無くなる。泣く泣く帰路についた。
宿に戻ったが、ちゃんと薬を飲んでいるのに、妙に気怠い。
明日、熱田神宮で迷惑をかけてはいけないと思い、ミッチーさんに「早めに寝るわ」と断って、自室に戻った。9時に睡眠薬を飲み、泥の様に眠った。
パチンと目が覚めた。
すっきりした目覚めだ。
なんだ? この暗さは? と時計を見ると御前1時だ。足がヌルヌルすると思い、灯りを点けてみると、純白の別途が血まみれだ。ここ暫くは傷が塞がり出血はしなかったので、油断した。血止めの軟膏は家に忘れている。バスルームで足を洗っていると、強い空腹感を覚えた。
外を歩けば、眠くなるかもと、近所のコンビニでおにぎりを買い、部屋に戻った。眠気は来ない。
眠らないと明日に支障が出ると思って、睡眠薬を追加で飲んだのが悪かった。
翌日は酩酊状態に近く、ミッチーさんに多大な迷惑を掛けることになった。
反省することしきりである。(了)
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