怖い話 第8集


BACK 第7話 【怖い話】顔認識機能
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 I・Hさんの投稿。(文章を一部変えさせて頂いています)

 私は最近のカメラには詳しくないのだが、最新のカメラには顔認識機能と言うものがあるそうだ。手ぶれやボケが無い様に顔をカメラが認識すると、白い枠が現れ、そのタイミングでシャッターを押せば、綺麗な顔写真が撮れる機能らしい。

 場所の明記は避けるが、I・Hさんは大学生で、授業が早く終わったので、仲間4人と山の上の遊園地へ遊びに行くドライブを行った。
 遊園地で就業まで遊び、帰りについた。真っ暗なワイディングロードを下りていると、見事な枝垂れ桜が街灯に照らされて幻想的に浮かび上がっていた。

 カメラ好きの友人が「あの枝垂れ桜凄いな! ちょっと写して来て良いか?」と言うので道の端に車を停めた。
 友人は車から降りると、ダッシュで枝垂れ桜へ向かう。

 他の三人は車から降りず、無言で席に座ったまま動かなかった。
 その枝垂れ桜を見てから、気まずい空気に車内が包まれ話題にするのも憚れたそうだ。

 カメラを持って出た友人は、枝垂れ桜の前で何回か構図を変えていたが、フラッシュが光ったかと思うと、叫び声を上げて必死の形相で駆け戻って来た。
 車に乗り込むと、「逃げろ! ヤバイ! ヤバイ! 早く車を出すんだ!」と叫ぶ。
 I・Hさんは訳が分からぬながらも、カメラ友人の鬼気迫る様子に車を急発進させた。
 カメラ友人はシート越しに後ろを振り返って身じろぎもしない。ただ「駄目だ! 追いつかれる! もっとスピードを出せ!」等と騒ぎ続ける。10キロほど走った所で、カメラ友人は「もう大丈夫だ。追いかけて来ない。助かった」と深く安堵の息をつく。
「何があったんだ?」
 I>Hさん達が尋ねると、カメラ友人は「見えてなかったのか?」と呟き、カメラの画像確認の液晶を皆に向けた。
 枝垂れ桜には何十と言う生首が形相も凄まじくはっきりと写っていた。
 カメラ友人が言うには構図を決めて写そうとしたとき、何十もの白く四角い顔認識の表示が浮き出たと言う。
 ビックリして反射的にシャッターを切ってしまった。すると、生首達が無数に襲いかかって来たのだと言う。
 カメラ友人は「この写真どうしよう?」と怯えながら言う。
 I・Hさんは「そのカメラ、貸せ」と言って、手に取ると記録媒体のSDカードを抜き、林道の茂みに思いっきり投げ捨てた。
 カメラ友人は「なにするんだ!?」と叫んだが、「あんな写真持っていてどうする? 祟られるのはごめんだ」とI・Hさんが言うとカメラ友人はおとなしく口をつぐんだ。
 I・Hさんは自分の行動は正しかったと思っているとメールを締めくくっていた。


※I・Hさんの行動は正しい。
 私も多くの心霊写真をPCに保存していた事があるが、霊と電子機器は非常に相性が良 い。おかげで何度もHDクラッシュや怪現象に悩まされた。
 心霊好きの方は保存して持っていたいと言う方も多いので、せめてクラウドに隔離する よう助言だけはしている。PC画面を幽界との出入り口にしたい方  はいないと思う。


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